フェムト秒レーザの群遅延分散を抑えつつ、反射率・レーザ耐性を向上

医学の進歩をめざし、
生体観察の検知能力向上を。

お問い合わせ窓口

光機能事業部
0564-45-8000

営業時間:平日9:00-18:00

世の中にはまだ原因解明されていない病気が多くあり、医学の進歩は人類の希望でもあります。そのため、医学や生命科学の研究分野では、生きている細胞やタンパク質をそのまま観察する技術が進み、中でも「蛍光観察」はわずかな光で物質の分子が発光するため、PCR検査をはじめ、多くの医療・研究現場で用いられています。
蛍光観察は、「原因解明されていない病気を別の角度から観察したい」「極小のガン細胞を早期発見したい」などといった医学の課題解決に大きく貢献できる手法であり、今後ますます精度を高めていくことが必要です。したがって、蛍光観察に用いられる新しい光学顕微鏡の技術革新は医学の発展に大きく関与していると言えます。

課題フェムト秒レーザの群遅延分散を抑えつつ、反射率やレーザ耐性を高めたい。

蛍光観察に使用される新しい光学顕微鏡のひとつが「多光子励起顕微鏡」です。蛍光分子に2種類以上の光を照射して、人工的に光の密度を高めることで出力を上げ、より深くより微細な細胞の観察が可能です。光の密度が必要以上に高まると細胞や試料のダメージを受けるため、多光子励起顕微鏡では超短パルスのフェムト秒レーザが用いられています。ところが、フェムト秒いう超短の発光では、光の速度の違いが顕著に現れてしまうため、この違いをコントロールすることが重要な課題となっています。そのため、多光子励起顕微鏡に用いられるフェムト秒用レーザミラーは金属ミラーを使用するのが一般的です。金属ミラーは光の速度のズレが生じにくい(低分散)のが利点ですが、反射率やレーザ耐性を上げることが難しく、光量を高められないため生体観察の検知能力の向上には限界がありました。

課題

金属ミラーは反射率やレーザ耐性を上げることが難しい。一般の誘電体多層膜ミラーでは反射毎にパルス幅が広がる。

ソリューション低分散誘電体多層膜ミラーでフェムト秒レーザの特長を発揮。

当社では、以前からフェムト秒レーザ用ミラーの研究開発に取り組んでおり、屈折率の波長分散によって起こるパルス幅の広がりを補償する誘電体多層膜チャープミラーを開発していました。
本件のような、従来の低分散ミラーでは反射率・耐久性が十分でないという課題に対し、フェムト秒レーザ用ミラーの研究開発で培ってきた技術を活かし、反射に伴うパルス形状の変化が少なくなるように設計した低分散の誘電体多層膜ミラーを開発しました。フェムト秒レーザから発振される超短パルスは、本来、狭いパルス幅や高いピーク強度などが特長です。開発した『フェムト秒レーザ用低分散ミラー』では、そうした特長が十分に活かされるため、多光子励起顕微鏡による生体観察の検知能力が格段に向上しました。

東海光学のソリューション

低分散誘電体多層膜ミラー設計により、パルス幅の広がりをおさえつつ高反射率を実現

今後の展望

今後ますます期待されるフェムト秒レーザの技術開発に積極的に取り組みます。

フェムト秒レーザは非熱過程で均一に作用するため、生体観察だけでなく、白内障や屈折矯正手術などにも活用されています。しかし、技術開発はまだ発展途上にあり、これからの技術革新が医学や産業の進化発展に大きく寄与するものと思われます。
本件は、医学・生命科学分野の課題に対し、製造メーカーともに開発を進めてきました。これからも現場のニーズに寄り添いフォムト秒レーザの活用法に対して、高い技術力と幅広い対応力でご提案。メーカーとの共同開発にも積極的に取り組んで新しい技術開発を推し進めていきます。

ご紹介製品

お問い合わせ窓口

光機能事業部
0564-45-8000

営業時間:平日9:00-18:00

TOP